画質と音質にこだわるなら、Super HiVi CAST
HiVi CAST 全貌紹介


「HiVi CAST」は、単なるチェックディスクではなく、その内容に添ってAV機器を調整/設定していくことで、ハイクォリティなオーディオビジュアル再生が行なえる内容になっている。そのジャケットに「チェックDVD」ではなく「デジタルAVナビゲーター」と掲げたのはそのためだ。オーディオビジュアル再生のクォリティを追求してやまないみなさんのお手元にぜひ1枚備えていただき、愛機の、あるいはホームシアターの実力をフルに引き出してほしい。

↑ディスクをローディングすると、最初に映し出されるのが、このテーマ映像。「HiVi CAST」のプロローグだ ↑メインメニュー。ここから各コンテンツに移動しよう。音声モードは、適宜切り替るので、とくに必要ない。ただしDTSトラックの場合は選択画面が出現する。DVDプレーヤーのトップメニューボタンで、いつでもここに復帰可能

■ ビデオチューンナップ

 メインメニューから、ビデオチューンナップ/映像イコライジングを選択すると、ディスプレイ調整用コンテンツがスタートする。プロローグ/接続方法/調整の準備に続いて、導かれるコンテンツは「映像イコライジング基本5項目」だ。
 これは、プロジェクター+スクリーンや、プラズマ、液晶、ブラウン管方式などに分類されるディスプレイ機器には必ず装備されている調整項目。映像作品に込められている制作上の意図や情報量を余すことなく引き出そうという場合、これらの調整なくしては、その目的は達せられない。とても重要な項目なのだ。
 コントラストは、白レベルの上限を決める調整。まず、100、95、90%という3段階の明るさのチャートが表示されるので、ディスプレイのコントラスト調整を使い、100%の白が暗くならない範囲で、残る95、90%の判別がつくように調整する。このチャートは最終的に100、99、98%となり、再現が難しくなる。
 黒レベルは、映像に含まれている黒を限りなく黒に近づけながら、それよりもわずかに明るい部分がきちんと見えるようにする調整。用意されるチャートは、再生される順に0、5、10%、0、3、5%、0、1、2%の3種。0%の黒が黒いままで、その他が判別できるよう調整する。
 続いて色合いと色の濃さ。ここでは、付属のブルーフィルター越しに調整パターンを見て、4コマのエリアが同じ明るさに見えるように、色合い、色の濃さをそれぞれコントロールする。HiVi CASTでは、オリジナルチャートにて、いっそう調整しやすいよう工夫している。
 最後はシャープネス。ここでは、前ページの画面写真のような縦縞のチャートを使って調整を進める。画面の右半分に見える細かい縦縞が、規則正しい間隔で、かつ白レベルが明るくなりすぎないポイントを探そう。そのとき、画面中央の黒い太い縦線の両側が、白っぽくならないよう(リンギングと呼ばれる現象)気をつける。
 HiVi CASTを手に入れたら、まずここまでの調整をきちんと実践してみてほしい。そのうえで、これ以降に登場するガンマ調整、RGBバイアス/ゲイン、色温度調整などへ進む。きっと、今まで見えなかったものが見えてくるはずだ。

「ビデオチューンナップ編」
↑メインメニューから、VIDEO TUNE UPを選ぶと表示される画面。ディスク購入後、初めて再生する場合はプロローグから再生してほしい。映像調整に関する基本的な知識の理解に役立つはずだ。調整だけならコントラストからでOK ↑色の濃さ。調整方法は左下の色合いと同じ。ここで使われるテストパターンでは、自動的にスチル再生となるので、納得のいくまで調整することができる。次の調整へ進むには、DVDプレーヤーのチャプター送りボタンを押せばよい
↑コントラスト。明るさ95%の白い背景上に、100、95、90%のグレースケールを表示するチャート。100%の白の明るさが下がらない範囲で、他の2種類の輝度変化が違和感なく判別できるように調整する。このあと一層難しくなる ↑シャープネス。画面中央の黒く太いラインの両側にリンギングが出現しない範囲で、シャープネスをかけよう。リンギングを出してしまうと、細かい絵柄の映像が動画表示されたとき、その周辺がザワザワと見苦しくなる
↑黒レベル。明るさ5%の暗い背景上に、0、5、10%のグレースケールを表示するチャート。0%の黒が灰色に感じられないギリギリのところまで、黒レベルを上げる。このとき、黒伸長などの補正機能はオフにしておきたい ↑ガンマ補正。基本5項目の調整を終えたら、さらに高度な調整へと進む。手持ちのディスプレイにガンマ調整機能があるなら、このグレースケールを表示して、その設定を変化させてみてほしい。ポイントは白から黒への自然な推移
↑色合い。従来、SMPTEのカラーバーチャートを使っていた調整だが、このDVDではよりわかりやすくするために、専用のパターンを考えてみた。ブルーフィルター越しに見て、4つのマスがほぼ同じ明るさになるように設定したい ↑色温度調整。最近のディスプレイには、ほとんどの製品に、この調整項目が備わっている。低/中/高というのが、もっともポピュラーな可変パターン。ここで気をつけたいのは、白そのものよりも女性の肌色の自然さ、好ましさだ


↑ブックレットの裏表紙には、「5.1ch DATA SHEET」をプリント。ディスクを購入後、拡大コピーして視聴位置の床にプッシュピンで留めれば、5本のスピーカーの位置決めが簡単に行なえる。その方法は「スピーカーの設置手順(ITU-R準拠)」で詳しく解説している
↑パッケージには、ディスプレイの色合いと色の濃さを調整する際に利用するブルーフィルターと、このDVDの使い方を詳しく紹介した全16ページのブックレットを収めている
■ オーディオチューンナップ

 メインメニューから、オーディオチューンナップ/5.1chサラウンドセッティングを選択すると、音の調整用コンテンツがスタート。サラウンド再生システムの概要が図解入りで説明されたあと、本誌視聴室を舞台に、スピーカーの設置手順(ITU-R準拠)が披露される。ITU-R配置は、セッティングの基本として理解しておきたい重要なセオリーだ。
 続いて、スピーカーの接続チャンネルチェック、同じく音量と位相チェックが、ナレーションとコンガの演奏を使って、順次行なわれていく。センターチャンネルの調整はとくに念入りに行なえるように制作してあるので、じっくりと取り組んでほしい。続く音色のチェックでは、デモンストレーション用として収録されている「DES CA RANGA」のステレオミックス音源を、順次チャンネルを移動させながら2本のスピーカーに割り当てて出力。それぞれの組合せにおいて、きちんとしたステレオ再生が行なわれているかが確認できるようにした。
 サブウーファーの音量と位相チェックでは、テストトーンの出力パターンを専用とし、難しいとされるセッティングに取り組んでいただけるよう準備した。
 サラウンドのチェックは、ここまで調整してきた結果を、移動音によって確認する内容。画面に登場するヘリコプターや飛行機の軌跡どおりに音が移動するかを確認してほしい。映像と音声のタイミング調整は、いわゆるリップシンク。もし映像が遅れている場合で、AVセンターなどにオーディオディレイ(スピーカーディレイとは異なる)機能があるなら、タイミングを合せておきたい。

「ビデオチューンナップ編」
↑メインメニューから、AUDIO TUNE UPを選ぶと表示される画面。このDVDを使って音の調整を行なう前に、画面下から2番目のサラウンドのチェックを選び、現状の効果を確認しておくのも手。使用前/使用後の効果が確認できる ↑スピーカーの設置手順(ITU-R準拠)の映像は、本誌視聴室で撮影を行なった。雑誌のうえではなかなか理解がむずかしい5・1chスピーカーセッティングも、動く映像でなら簡単に習得できるだろう。スピーカーはLINNで統一
↑再生するコンテンツに合せたスピーカーセッティングの原理原則は、コンピューターグラフィックスを使って立体的に解説。専門用語を極力排した、理解しやすいナレーションとも相まって、これまでの疑問点がきっと解決するはず。 ↑こちらはテスト信号再生時の画面。出力中の音に合せて映像も切り替るので、スピーカーセッティング時におかしやすいイージーミスも防げる。ブルーの○は正相を、ピンクの○は逆相信号を出力する(している)ことを意味する

■ テスト信号

 メインメニューからテスト信号画面を呼び出すと、静止画11、動画9、合計20におよぶテスト信号が再生できる。ビデオチューンナップ/映像イコライジングが基礎編だとすると、ここに収録されたテスト信号を使って行なう調整は応用篇。より高度、かつ再生機器には厳しい信号だ。具体的な使い方については、本誌上にて、順次リポートしていく。
オーディオ/ビデオ「テスト信号編」
↑右下のメニュー画面から、ブラックレベルを選ぶと出現する信号(動画)。ビデオチューンナップ篇では、最小でも1%刻みだったが、これは8ビット/256階調で表現できる最小ステップ。しかもチャート面積と背景輝度が変化する ↑同じく左下のメニュー画面から、スキントーンを選ぶと出現する信号(動画)。モデルの女性をアップで捉えた映像を中心に、きめ細かい皮膚のディテイル描写や肌色の自然さを検証したい。通称「美人画パターン」も収録してある
↑メインメニューから、AUDIO TUNE UPを選ぶと表示される画面1枚目には、おなじみのテストチャートが。本誌テストリポートでも活躍するはずで、HiVi CASTがあれば、記事内容を追体験できるようになるかもしれない ↑同じく2枚目。こちらは動画主体。メニュー項目上、色が違って見える部分を持つ信号は音声も収録している。内容は、50Hz〜20dB、100Hz〜20dB、1kHz〜20dBの正弦波(ピー音)だ。スピーカーの低域再生能力の確認などに利用されたい

■ デモンストレーション

 ここには、各種調整を終えた後で、その結果を確認するためのコンテンツを集めている。ことに「DES CA RANGA」は、書下しの1曲で、収録音声仕様もDTS96/24の5.1Ch(音声転送レート1536kbps)という、圧縮サラウンド方式としては最高レベルのもの。5・1chにフルに音源を配置したダイナミックな音楽に全身で浸ってほしい。
 フィルムルックは、最近の映画制作の現場で頻繁に使われている、ソニーのCINEALTAで収録したパート。フィルムガンマで撮影したあと、ポストプロダクションでカラー補正を施し、ディスクに収めた。収録コマ数の違いによる動きのスムーズさ篇の違いと、通常のビデオ収録とは異なる階調表現を確認してほしい。
 HiVi CASTをぜひお手元においていただき、AVシステムのチューンナップにお役立ていただきたい。

(HiVi CAST担当 K)

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