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HiVi CAST ハンドブック レッスン3



「色合い」と「色の濃さ」調整の基本をマスターする

 前回までのレッスンで、コントラストと黒レベル調整はマスターできましたか? さて、今回は色調整の基本を解説しましょう。その前に、ディスプレイのウォームアップを怠りなく! HiVi CASTのデモンストレーションコンテンツ「DESCARANGA」を5?6回リピート再生しておけば、それもバッチリ完了。そうそう、HiVi CASTに封入されていたブルーフィルターもお手元に用意しておいてください。

↑HiVi CASTに付属のブルーフィルター。100種類以上のフィルター用素材、カラーのなかから、映像調整にマッチするものを見つけ出した。フィルターエリアを通常をより広くして、使い勝手を高めた仕様としている
 さて、今回は色に関する調整方法について、その手順とコツを解説していこう。その前に、HiVi CASTをご愛用いただいている方から、ディスプレイとDVDプレーヤーのどちらで調整すればよいのか? という質問を比較的よくいただくので、この件についてお答えしておきたい。
 映像調整は、まずはディスプレイ(テレビやプロジェクター+スクリーンなど)で行なうのが基本だ。最新のDVDプレーヤーには、さまざまな映像調整機能が搭載されているが、再生信号の送出し側という機器の性格上、各調整項目の可変範囲は、ディスプレイのそれよりも狭いのが通例だ。これには、あまり広い範囲で送出し映像に手を加えてしまうと、映像信号レベルが定められた規格からはみ出してしまい、ディスプレイ側で正しく表示されなくなる可能性があることなどの理由が考えられる。また、調整できるステップがディスプレイのそれよりも荒いことが多く、微妙なコントロールが行ないにくいことも、DVDプレーヤー側での調整をおすすめしない理由のひとつだ。ただし、ディスプレイ側で思い通りに調整できないときは、DVDプレーヤーの映像イコライジング機能を試してみる価値はある。また、ソニーのブラウン管方式ディスプレイなどでは、コントラストだけを独立して調整することができないので、そういう場合には、DVDプレーヤー側での調整が有効な場合がある。手順としては、まずディスプレイなどの映像表示機器側で画像調整し、次にDVDプレーヤー側で補助的な修正を行なう、と覚えておいてほしい。

SMPTEカラーバーによる色調整の基本
 いくつかのテストディスクや、放送終了後のテレビ画面などで見かけるカラーバー。どれも皆同じように見えるかも知れないが、じつはいくつか種類があるのをご存知だろうか? 私たちが、ふだん取材の時などに使っているのは、ここで示したSMPTE配列(SMPTE:ソサエティ・オブ・モーションピクチャー・アンド・テレビジョン・エンジニアズ=米国テレビ映画技術者協会)のカラーバーを、ディスプレイのアスペクト変換機能により16:9に引き延ばしたもの。他に、EIA(エレクトリック・インダストリーズ・アライアンス=米国電子工業会)配列のもの、カメラ調整用のフルカラーバーなどがある。
 右のSMPTE配列のカラーバー。一番面積の広い部分の右から、ブルー、レッド、マゼンタ、グリーン、シアン、イエロー、輝度75%のホワイトと並んでいる。最下段の左から2番目が100%の白だ。
 調整に慣れてくれば、この1枚の画面だけでコントラスト、黒レベル、色合い、色の濃さなどが合せられるようになる


色合いと色の濃さ。
両者の調整が不可欠


 ここで利用するパラメーターは、色合いと色の濃さのふたつ。家庭用として設計されているテレビ、ディスプレイ機器には、必ず用意されている代表的な調整項目だ。
 色合いは、RGBYMCからなる色相の環をぐるりと回転させるイメージの調整。プラス側に調整すれば、画面全体がマゼンタ(赤紫)側に、マイナス側に調整すれば緑がかってくるはず。特別なテスト信号がない場合は、現実として肉眼で見慣れた映像を映し出して、それが不自然な色調で再現されていないかを見極めながら、感覚的に調整する。ただし人間の目には高い順応性があるので、多少色合いがおかしくとも、すぐに慣れてしまうため、調整の途中で,その状態が正しいのか否かが判別できなくなってしまい、なかなか正しい状態に追い込めないのが現実だった。
 業務用のピクチャーモニターでは、上の写真で紹介しているSMPTEカラーバーと呼ばれるテスト信号を映し出し、ブルーオンリー(画面全体を青一色で表示する)モードで○がこみの部分が同じような明るさになるように色相を調整する。しかし家庭用のディスプレイにはこのブルーオンリーモードは搭載されていない。ではどうするか?
 そこで登場するのが、HiVi CASTに付属のブルーフィルターだ。このフィルター越しに前述のSMPTEカラーバーを見ることで、ブルーオンリーモードと同じ効果がえられるのだ。HiVi CASTには、テスト信号として、このSMPTEカラーバーも収録してあるので、ビデオチューンナップ篇での調整に慣れたら、そちらでも試してみてほしい。色合いと同時に、色の濃さも同一画面内で調整できるので、合せる位置さえ覚えてしまえば、スピーディに色合せが行なえることだろう。
 では、HiVi CASTのタイトル1のチャプター13を呼び出してみよう。上の写真、SMPTEカラーバーで「『色合い』調整で使うエリア」の部分を拡大した画面が出現するはずだ。この信号画面でオートポーズが働くので、ブルーフィルターを目にかざしたら、ディスプレイの「色合い」または「TINT(ティント)」調整メニューを呼び出して、数値を大幅に(最大範囲)動かしてみよう。4分割された四角い図形の明るさが段階的に変化したはずだ。調整のポイントは、この4つの四角い図形の明るさが、できるだけ等しくなるようにすること。ディスプレイに装備された色合い調整のステップが荒い場合、あるいは使っている表示デバイスの特性によっては、この部分の明るさがきちんと揃わないかも知れない。というより、普通は完全には合ないと思った方がよい。もっとも明るさが近くなるポイントを見つければそれでOKだ。
 ここまでできたら、DVDプレーヤーの再生ボタンを押して、先に進もう。確認用の動画で簡単に色合いを確認したら、そのまま「色の濃さ」へ。
「色の濃さ」は、文字通り色の濃さ(飽和度)を調整する項目。色レベル、あるいはクロマなどと呼ばれることもある。HiVi CASTは、「色の濃さ」の解説を終えると、やがて先ほどとは色違いの図形を画面に表示してポーズとなるはずだ。ここで「色合い」の時と同じ要領で、4つの四角い図形の明るさが均等になるようにディスプレイの調整項目である「色の濃さ」を調整する。色に関する基本的な調整はこれで完了だ。
 ブルーフィルターを外し、チャプター15の確認用動画を見てみよう。前項での調整で「色あい」は正しく設定されているはずなので、ここで「色の濃さ」を大幅に上げたとしても、人物の肌色が緑がかったり、赤紫がかったりはしないはずだ。もし色がどちらかに偏るなら、もう一度「色合い」の項目へ戻って調整してみてほしい。
 次回はいよいよ映像調整の基本5項目の仕上げ、「シャープネス」調整へと進もう。

「色合い」「色の濃さ」調整の目安


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