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HiVi CAST ハンドブック レッスン4



「シャープネス」調整の基本をマスターする

 今回は「シャープネス」調整がテーマ。コントラスト、黒レベル、色合い、色の濃さ、そしてシャープネス。つまり、映像調整の基本5項目のレッスンが、これで終了ということになります。いかがでしょう? テレビやプロジェクターの映像は見やすくなってきましたか? メニュー画面の使い方には慣れましたか? さあ、ベーシックなテクニック習得までもう一息です。リモコン片手にがんばりましょう!

 テレビやプロジェクターでいう「シャープネス」調整とは、映像信号の周波数特性をコントロールすることだ。では、映像信号の周波数特性とはどういうことか?
 たとえば、HiVi CASTの「シャープネス」調整チャプター冒頭。日常生活のなかで見慣れた食材や生花などが画面いっぱいに映し出されるはず。この映像で、信号の周波数が高いと思われるのは、たとえば秤の目盛りの垂直ライン部分。それから、メロン表面の模様、ジャムや缶詰のラベルに印刷された文字。逆に信号の周波数が低いと思われるのは、灰色の背景や赤ピーマンのつるんとした表面、カップ&ソーサーなど。
 つまり、映し出された絵柄の細かな部分の周波数は高く、大雑把な部分の周波数は低いというわけだ。
 シャープネス調整は、一般に、映像信号の高い周波数領域に対して、その部分のレベル(振幅)を増減させることで行なわれる。つまり、映像信号の高い周波数領域のレベルを上げる=細かい部分を強調する、そのレベルを下げる=細かい部分を曖昧にする、ということになるわけだ。
 このことを下の「マルチバースト」チャートで考えてみよう。白と黒のストライプが等間隔にならび、いくつかのグループを形成している。よく見ると、左から順に、そのグループ内にある白と黒の間隔が狭くなっていることに気づくだろう。このチャートでは、右のグループへ行けば行くほど、映像信号の周波数が高くなっているのだ。このテスト信号は、ディスプレイや映像再生機器の周波数特性を観測するために広く使われているもので、見慣れた専門家ならこれを見ただけで映像信号の系としての伝送特性を看破してしまう。
 このチャートでは、もうひとつ、映像信号の水平解像度も、めやすとして判別できる。白黒のストライプは、本来、どのグループでも等間隔で交互に並んでいるはずなので、その配列が不規則にみだれていたり、境界が曖昧にみえたりするのであれば、そのグループの周波数は正しく再現されていないと思っていい。
 ただし、HiVi CASTに収録されているテスト信号を使っている場合なら、ディスプレイ機器だけではなく、DVDプレーヤーの再生特性も併せて観測していることを忘れないでほしい。

シャープネス調整の目安

リンギングの排除も
重要な調整のポイント

 

「シャープネス」調整に役立つテスト信号(HiVi CASTに収録されています)
「マルチバースト」
↑少々専門的になるが、映像信号の周波数は左から500kHz、1.0MHz、2.0MHz、3.0MHz、3.58MHz、4.2MHzとなっている。正確な周波数特性を見るなら、画面アスペクトは4対3にしておきたい。ビデオチューンナップの「シャープネス」調整で使われているのは、このマルチバーストにリンギング確認用チャートを加えて、独自にアレンジしたものだ
「マテリアル」
↑見慣れた日用品を集めてハイビジョン撮影された映像。ここに収録されているのは、そのダウンコンバート素材だ。色の鮮やかさやノイズ感の評価に利用できる他、各マテリアルの細部に着目することで、シャープネス調整の最終確認用として活用したい。静止しているだけでなく、水平方向にゆっくりとカメラがパンニングする
 
さて、シャープネス調整に話を戻そう。シャープネス調整のひとつのポイントは、文字通り、映像がシャープに見えるようにすること。前述のチャートで解説した白と黒のストライプがきちんと等間隔に見えるグループを探し出し、白の部分がはっきり見えるようにシャープネスレベルを加減してみて欲しい。ただし、はっきり見えるからといって、プラス方向に上げ過ぎるのは禁物。その状態で実際の映像を再生してみると、細かい部分の白が強調されて、とても不自然な表現になってしまうからだ。
 またシャープネスの上げすぎは、黒から白へ、白から黒へ、つまり明るさが大幅に変化する境界線付近の信号の暴れにつながり、映像全体を汚れた印象にしてしまうので気をつけたい。それがHiVi CAST内でも注意点として挙げている「リンギング」といわれる現象だ。
 このリンギングは、前述のチャートで表示される2本の黒いラインで確認可能。試しにシャープネスを最大にしてみてほしい。家庭用のテレビやプロジェクターでは、ほとんどの場合、その両側に強い縁取り、すなわちリンギングが現れるはず。この現象を抑えることで、実際の映像はクリーンなものになってゆくのだ。すなわち、このリンギングを抑えることが、シャープネス調整のふたつめのポイントといえる。
 では、シャープネスを最大値から徐々に下げて行こう。少しづつリンギングが減ってくるはずだ。同時に画面中央の白と黒のストライプの見え方に注意しておきたい。シャープネスの最適調整ポイントは、リンギングが最小で、なおかつ画面中央の白と黒のストライプがはっきりしているところを探すことだからだ。
 しかし、家庭用のオーディオビジュアル機器を使って、シャープネス調整の最適ポイントを見つけだすのは実のところたいへん難しい。リンギングを消そうとすると、画面中央の白と黒の明快さまで失ってしまいがちだ。ここで調整に迷ったら、まずはリンギングを減らすことを優先してみて欲しい。なぜなら、私たちが主な視聴ソースとしている映画DVDの再生に話を限れば、映像細部の見え方の相違より、リンギングの方がずっと目につきやすいといえるからだ。
 家庭用テレビやプロジェクターのシャープネス調整で、もうひとつ問題なのは、そのレベルを下げていったとき、意図的に映像を甘くする作用が加えられている製品の場合だ。その場合は、いくらリンギングがなくなるからといっても、下げすぎは禁物である。
 このシャープネスについては、使っているDVDプレーヤー側に調整項目があるなら、そちら側を調整することで映像がどう変るかを試しておきたい。リンギングは、DVDプレーヤーにもあるいはソフトにも含まれていることがあり、一概にテレビやプロジェクターのせいばかりともいえないからだ。


「夢のワンルーム6畳間シアター化計画」でも活躍しました!
 本誌読者のみなさんを中心に、ご愛用者がどんどん増えているHiVi CASTですが、9月号の取材のなかでもあちらこちらで活躍しています。
 まずは巻頭カラー企画の「夢のワンルーム6畳間シアター化計画」 編集部の(武)が、ひょんなことからAV生活に身を染めるまでを、ドキュメンタリータッチで追いかけたリポートなんですが、ここでの基本的な5.1chセッティングとプロジェクターの映像調整に、HiVi CASTが大活躍したそう。ワンルームシアターづくりのナビゲーターとして、欠かせない1枚といえそーです。HiVi CASTは実は比較的狭い部屋でのサラウンドセッティングを想定して制作されています。
 それから特集「徹底検証! デジタル伝送の真実」でも、デジタル映像伝送による画質差を分析するためのツールとして、HiVi CASTの映像が使われました。デジタル伝送とアナログ伝送で、女性モデルの描かれ方にどんな差があらわれるのか? 60ページからの画面写真で検証して下さい!


↑コンパクトなサテライトスピーカーとサブウーファーで構成される5.1chスピーカーパッケージは、両者の音の自然なつながりが命。HiVi CASTのオーディオチューンナップが役立ちます!
↑これが「徹底検証! デジタル伝送の真実」の取材風景。デジタル映像伝送が行なえるか? アナログ伝送による映像とはどこが違うか? 夜を徹した検証が数日間続いた

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