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HiVi CAST ハンドブック レッスン5



「ガンマ」調整の基本をマスターする

 前回までで映像調整の基本5項目に関するセミナーは終了。ベーシックな映像イコライジングのテクニックはマスターできましたか? さて、今回からは1ランクアップの上級篇へと進んでいきます。ここでとりあげるのは「ガンマ調整」 なんだかとっても難しそうな名前です。とはいっても、わかりやすさが自慢のHiVi CASTですから、それほど構える必要はありません。今月もテレビのリモコン片手にリラックスしていきましょう!

 今回のテーマは「ガンマ調整」 ガンマとはギリシャ文字の「」であり、後述する特性曲線がその文字のカタチに似ていたことから、この名前が与えられたというのが、一般的な解釈のようだ。では、このガンマとは何か? 最近のディスプレイ機器には、このガンマを調整する機能が搭載される例が増えて来ており、すでに活用している読者のみなさんも多くいらっしゃることと思う。だが、その意味を正しく理解している方は以外と少ないのではないだろうか? 今回は、まず、ガンマの基本を理解していただいたうえで、オーディオビジュアル再生における効果的な「ガンマ調整」の利用法について考えていきたい。
 オーディオビジュアル再生におけるガンマとは、入力される映像の信号レベルと出力される映像の明るさとの比率のことだ。その特性曲線をガンマ特性、あるいはガンマカーブという。入力される映像とはDVDプレーヤーやBSデジタルチューナーなどのソース機器が送り出す映像信号であり、出力される映像とは、プロジェクターやテレビが映し出す映像のことだ。これら入力/出力映像は、白から黒まで、その明るさの表現方法にある一定のルールを持っており、それを数値化したものをガンマ値と呼んでいる。ガンマ値が1なら、入力した信号と出力される信号は同じように見える。リニアな特性で、明るさの変化は、視覚的にも自然なものだ。

ガンマとは何か?

 ふだんテレビを見ていると、白から黒までキレイに表現されているようすに何の疑問も抱かないが、じつはこのテレビのガンマ値は1ではない。2.2だ。だから、ガンマ値1の映像信号をそのままテレビに入力しても、オリジナルに忠実な表示が行なわれないことがわかるだろう。
 こんにちの映像の世界は、ブラウン管式テレビの技術が基本になっている。ブラウン管は、蛍光体に電子ビームを照射することで管面が発光するしくみ。電子ビームが強ければ明るく、弱ければ暗い。すべての映像表示の基本となったブラウン管は、そのデバイスの特性として、白から黒への明るさ表現に固有のクセを持っているのだ。では、そんなクセのあるブラウン管に正しい映像を表示させるためにはどうすればよいか? 入力する映像信号に、ブラウン管とは逆の特性を与えればよいのである。これがガンマ補正と呼ばれる作業だ。だから、「ガンマ」に関する調整項目がないからといって、そのディスプレイ機器がガンマ補正を行なっていないわけではない。
 というと、「うちのテレビはプラズマだからガンマ補正とは関係ないの?」という声が聞こえて来そうだ。仮にガンマ1のディスプレイ機器があったとしても、オーディオビジュアルであつかう映像信号のすべては、ブラウン管での表示を前提にこのガンマ補正が行なわれているため、そのままでは全体に白っぽい映像になってしまい、とても鑑賞できないだろう。だから、ブラウン管以外の表示デバイスを使った映像ディスプレイ機器には、ブラウン管に近いガンマ特性があとから付加されているのだ。

ディスプレイのガンマ調整は
カーブを切り替ることで行なう


 HiVi CASTでは、ディスプレイ機器にガンマ特性を切り替える機能がある場合、その再生環境において、どれを選ぶのが適切かを判定できるようにしている。それがここでいう「ガンマ調整」だ。本来なら、ガンマ特性の選択は必要ないはずだが、プログラムソース、あるいは送出し機器、視聴時の照度、ディスプレイの個性などによって、必ずしも入力信号とディスプレイのガンマ特性が一致するとは限らない。さらに、視聴者の好みという問題もある。付け加えれば、前回までの基本5項目の調整のうち、白レベル、黒レベルとも密接な関係を持つのがガンマであり、そのいずれかを調整したら、ガンマ特性も必ず確認する必要があることを忘れないでほしい。
 ガンマ補正というと、一般に、黒側の階調表現コントロールと認識されているようだが、上のグラフからもわかるように、実は中間階調から白側へ与える影響も大きい。
 調整は、コントラストと黒レベルを合せたあと、下の写真のグラデーションチャートを出画し、ガンマ調整を上下させ、あるいはいくつかある設定値を切り替えてみて、0%から100%までの各段階がきちんと分離して見えるポイントもしくは設定値を選べばよい。ここでの調整の目的は、黒から白へのリニアな段階推移の獲得だから、ある特定の領域で各段階の差があまりはっきりしないようなら、その設定は誤っているといえる。
 なお、ガンマ調整機能を搭載しないディスプレイ機器であっても、「ダイナミック」「リビング」「スタンダード」「シネマ」などの映像モードごとにガンマ特性を変化させているモデルもあるので、各映像モード毎に基本5項目を調整し直し、HiVi CASTの「ガンマ調整」チャートを確認するという方法にもチャレンジしてみてほしい。「スタンダード」を調整の出発点とした方が、ガンマ特性に関する限り、結果がよいケースもあるからだ。

「ガンマ調整」による変化


*本サイトの画面写真は必ずしも実際の調整状態を反映していません。

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