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HiVi CAST ハンドブック レッスン6




「RGBバイアス、RGBゲイン」調整の基本をマスターする

 レッスン5でお届けした「ガンマ調整」はマスターしていただけましたか? そのガンマ調整と深い深い関係にあるのが、今回ご紹介する「RGBバイアス、RGBゲイン」です。これは、映像の暗部と明部の色の微妙な色の偏りを補正するために欠かせない調整。基本5項目に比べれば、操作はグッと難しくなりますが、その効果はとても大きなもの。うまくいったときの映像は、それまでとは見違えるほど自然になるはずです。恐れず,慌てず、じっくりと取り組んでみましょう。


 今、オーディオビジュアルシーンで使われているテレビ(ディスプレイ、プロジェクターなど)は、それがどんな方式であれ、RGB、つまり赤、緑、青という3色の光を混ぜ合せてすべての色を再現している。その混ぜ具合、明るさの段階などをさまざまに変化させることで、すべての色を表現しているわけだ。そのなかで、正確な再現がもっとも難しいのが「白」と「黒」である。どちらも無彩色だが、大雑把にいって、そのどちらもRGBという3つの色の混合によって表現されている。だからこのバランスが狂うと、白が緑っぽくなったり、赤っぽくなったり、青っぽくなったりする。同じ1台のテレビでも、明るさのレベル変化にともなって、緑、赤、青とぐるぐる変って見えたりすることさえある。こういうテレビを使って、モノクロ映画などを見ていると、もうその色の偏りが気になって、映画鑑賞どころではなくなってしまうだろう。
 RGBバランスの重要性は、「黒」再現においてさらに高まる。電気的にみれば、それは白よりもずっと低レベルで行なわなければならないため、制御がずっと難しくなる。さらにいえば、人間の視覚は、わずかなバランスの崩れも見逃してはくれないのだ。

RGBバイアス


RGBゲイン

手持ちディスプレイ機器の
クセを矯正する強力なツール


 RGBゲインとは、ここまで述べてきたように、白側の色(RGB)バランスを調整する項目。同様にRGBバイアスとは、黒側の色(RGB)バランスを調整する項目。基本5項目の「色合い」や「色の濃さ」は、映像全体の色調を変化させてしまうが、この2つのパラメーターを駆使すれば、映像の明るい部分だけ、あるいは暗い部分だけを、ある特定のバランスとすることができるわけだ。
 調整は、RGBゲイン、RGBバランスともに、R(赤)、G(緑)、B(青)それぞれのレベルを独立して増減させることで行なう。
 たとえば、あるプロジェクターを使っていて、映画の暗い場面でどうしても画面全体が緑色っぽく見えるとしよう。明るい場面や、中間的な明るさの部分では問題ない。こんなときは、HiVi CASTの「RGBバイアス」テストチャートを表示し、RGBバイアスのG(緑)のレベルをマイナス側に下げてみよう。テストチャート上の5から30までの各表示エリアから緑色が少しずつ抜けていくのがわかるはずだ。適正値は、各エリアがニュートラルな灰色に見えるポイント。この状態で、映画ソフトを再び再生し、暗部の再現性を確認してみてほしい。緑かぶりは軽減されているはずだ。ただし、緑は、映像の明るさ全体を支配しているので、ここで必ず明るいシーン、中間的な明るさのシーンも見てみる必要がある。必要があれば、HiVi CASTの「コントラスト」や「黒レベル」調整画面に戻って設定を確認してみよう。
 ディスプレイ機器によっては、RGBバイアス、RGBゲインともにG(緑)の調整ができない製品もある。これは、Gのレベルを基準とすべく、固定しているからだ。この場合は、R(赤)とB(青)を上げることで対処してみてほしい。相対的にG(緑)を下げる作戦だ。
 RGBゲインの調整も、同じようにHiVi CASTのテストチャートを表示して、色の偏りがないかチェックしながら行なってほしい。もし、どの色のレベルがまさっているのか、不足しているのかわからなくなったら、調整中の設定値をメモし、一旦調整を標準状態に戻したうえでしばらく休憩、視界を日常空間に戻し、視覚をリセットしよう。人間の目は素晴らしい順応性を持つ。わからなくなてしまったということは、順応してしまったことの裏返し。あせらずじっくり取り組むことは、正しい調整への重要なアプローチだ。
 なお、「RGBバイアス」と「RGBゲイン」を同時に見比べながら調整したい場合は、前回ご案内した「ガンマ調整」用テストチャートでも試してみてほしい。テスト信号の「カーボン」も利用できると思う。

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