画質と音質にこだわるなら、Super HiVi CAST
HiVi CAST ハンドブック レッスン8



20種類のテスト信号を賢く使いこなそう

 早いもので、HiVi CASTの発売から1年が経ちました。おかげさまでたくさんのみなさんにご愛用いただき、ご好評の声をいただいています。どうもありがとうございます! というわけで、さらに多くの人に使ってもらえるよう、特別キャンペーンをはじめました。まだ、お持ちでない方は、ぜひこの機会をお見逃しなく! さて、今回はテスト信号の使い方を少しご紹介しましょう。

 HiVi CASTを使ったホームシアターのチューニングに慣れる従って、利用する頻度が高くなるのが、ここで紹介する各種テスト信号だ。メインメニューの3番目に置かれたこのコンテンツは、主に映像調整/確認用に制作したもので、「映像イコライジング」に含まれる基本調整ではカバーし切れないパラメーターの補正やセッティングのツメに利用できるよう構成されている。ここでは、そのなかから、面白い使い方ができる3種類をピックアップして補足説明をしておきたい。
 まず最初は7番目のテスト信号「セーフティゾーン」 これは、ディスプレイ機器の表示領域を調べるためのチャートで、収録した原本には天地左右とも100%のエリアが表示されている(ただし「100%」という数字は表記していない)。下の写真のいちばん大きいものが、オリジナルの状態である。
 その下左の写真が、DVDプレーヤーを使ってHiVi CASTを再生し、「セーフティゾーン」チャートをブラウン管テレビに表示させた状態。オリジナルと比べてみると、その表示エリアが狭くなっているのがおわかりだろう。かつてブラウン管ディスプレイの性能が安定していなかった時代には、入力される映像信号の明るさによって画面の大きさが変動するという弱点をカバーするため、その表示エリアは故意に狭められていた。オーバースキャンという手法である。その後、ブラウン管ディスプレイの性能が徐々に高められてゆくにつれて、表示エリアは広げられていったが、100%まではいたっていない。もし、お手持ちのディスプレイがブラウン管なら、このチャートを表示させてみてほしい。天地左右とも95%の枠を見ることができれば、オーディオビジュアル用として合格点を与えることができるだろう。
 一方、固定画素構造を持つディスプレイーー液晶やプラズマなどーーでは、先述の問題が原理上発生しないため、ほぼ100%表示できる製品も存在する。なお、液晶やプラズマディスプレイのなかには、メニュー機能として、映像の表示エリアの切替えやサイズ調整モードを持つものもあるので、表示領域ができるだけ広くとれるよう設定を確認しておきたい。映像作品を制作するクリエーターたちがこだわって決めたフレーミング。その意図を100%汲み取るために。

テスト信号7「セーフティゾーン」

 次にご紹介するのは8番目のテスト信号「アスペクトレシオ」 これは、映画の世界で一般的な、劇場上映時の画面の縦横比(アスペクトレシオ)をひとつの画面のなかに表示したものだ。このパターンを使う前に確認しておきたいのは、7番目のテスト信号「セーフティゾーン」を表示させたとき、縦と横で映像の表示比率に大きな差がなかったかどうか。その差が少なければ少ないほど、ここでの検証精度が上がる。では何を検証するか? DVDや放送などで楽しむ映画ソフトのアスペクト比である。
 ここでは、簡易的なアスペクトチェック法をお知らせしておこう。まず、使用するディスプレイに「アスペクトレシオ」パターンを表示させる。画面にパターンが表示されたら、目的の映画ソフトが採用していると想定される画面サイズの位置をマーキング。具体的には、ディスプレイ機器のサイドフレームにポストイットなどを貼るとよいだろう。次にHiVi CASTを取り出しDVDソフトを装填。ディスプレイを適正なアスペクトモードに設定して、表示された映像を先ほどのマーキング位置と比較してみてほしい。もしその映画がシネマスコープであるにもかかわらず、シネマスコープのマーキング幅を越えているとすれば、マスターの左右がいくらかカットされ、映像が拡大気味であることを物語っている。また、マスターがビスタサイズの映画の場合、16対9画面のワイドディスプレイの天地には若干の黒みが見られるはずだが、現実には左右を若干カットして、フルフレームで見えるように収録している映画ソフトもあるので注意が必要だ。
 こうした検証を何度か試してみると、同じシネマスコープ収録の映画DVDソフトでも、微妙にアスペクト比が異なることに気づかされ、ソフト制作会社のフレームに対するポリシーのようなものが垣間みれて興味深い。

テスト信号8「アスペクトレシオ」


安定した黒再現の追求から
新しいテストパターンが生れた


 最後にご紹介するのは、ディスプレイ機器における黒再現のキャラクターが分析できる「ブラックレベル」 これは、0.4、0.8、1.5%というひじょうに微妙な階調差を持ったグラデーションチャートが、徐々に拡大し、画面いっぱいに表示された後、再び縮小してゆくというもの。背景の輝度は拡大時が黒、縮小時が白と反転する。このパターンで確認していただきたいのは、ディスプレイの画面内に占める黒の面積の大きさによって、黒の微妙な再現性が変化しないかどうか。最近のディスプレイ機器では、多かれ少なかれ、ノンリニアな補正が行なわれているものだ。映像表示デバイスのコントラスト再現に限界がある以上、これはやむを得ない信号処理ではあるが、その効果が強すぎると実際の映画ソフトを再生した場合、画面全体の明るさが変るごとに暗部が浮いたり沈んだりしてしまう。「黒レベル」や「明るさ」以外に、黒再現にかかわる補正機能があるなら、このパターンを表示させながら設定を変えてみてほしい。黒がつぶれず、中央のグラデーションパターンも変化しない、それが最適な設定だ。



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