画質と音質にこだわるなら、Super HiVi CAST
HiVi CAST ハンドブック レッスン13


スピーカーの音色をチェックしよう

 前回までで、5本分のスピーカーの接続チェック、そしてレベル合せが終りました。この11月号でお届けするのは、そのひとつ先にあるスピーカーの音色チェックです。隣接する2本のスピーカーから再生されるサウンドが、通常のステレオ再生としてまとまりよく聴こえるかがそのチェックポイント。視聴位置で体の向きを変えながらじっくり音を聴いてみて下さい。スピーカーの距離や向きによって、ビックリするほど音の聞こえ方が変るはずです。

 今回のテキストは、HiVi CASTのタイトル2、チャプター4「音色のチェック」だ。ここまでの解説で、サラウンドあるいはマルチチャンネル再生の理想が、フロント2チャンネルの再生環境と同じ状態を360度全方向に展開することである旨説明したが、それが実現できているかどうかを、実際に音楽を再生することで検証しようというのが、このチャプターである。
  前回までの設置と調整を終えることで、ソース機器からスピーカー端子までの接続間違いないはず。音量も5チャンネルすべてで揃えられた。したがって、隣接する2本のスピーカーを使って2ch音源の音楽を再生した場合、どの組み合せでもきちんとしたステレオ再生として再現されるはずである。ここで、音がどちらかのチャンネルに音量が偏っているとか、ステレオイメージが不自然である場合には、再度、ここで各種設定を追い込んでほしい。実際に再生するものに似た音で合せた方が、微妙なレベル調整は正確に行なえる場合があるからだ。
  では「音色のチェック」を再生してみよう。画面には音の出ているスピーカーが示されるので、どこから音がでているのかは一目瞭然。2本のスピーカーの間に向き直って、通常のステレオ再生を楽しむつもりで音を聴いてみてほしい。サラウンド再生の場合、センターやリア用として、フロント用とは異なるメーカーのものや、サイズ・形状の違うスピーカーを使うケースもあるだろう。もちろん、それはそれで構わない。理想は全チャンネル同一スピーカーではあるが、それは絶対条件ではない。できるだけ音色が合うようにスピーカーのセッティングを工夫してみよう。

●オーディオチューンナップ 5.1chサラウンドセッティング メニュー画面

 隣接する2つのスピーカーから再生される音が異なってステレオ感が不自然な場合には、まず、その置き方、取付け方を変えてみよう。床においたものの場合は、まず背後の壁との距離を変えてみる。一般に、壁に近づければ低音が強く聴こえてくるようになるし、逆に壁から放せば弱くなる。また、トゥイーターやスコーカーの向きを耳の位置に向ければ中音・高音は強く感じられる。逆に、逸らせば弱まって聴こえる。また、スタンドに載った小型スピーカーを使っているなら、スタンド脚部と床の、あるいはスピーカーとスタンドの接地状態にも目を向けてみてほしい。スパイク状の脚でしっかりと固定すれば、低音は引き締まって聴こえるし、ゴム足などを使えばいくぶん緩く聴こえてくるはずだ。固定する脚部の数でも音の聴こえ方は変るといわれている。スピーカーのフロントバッフル面の向きについては、2本のスピーカーの中央に定位する音像定位との兼ね合いもあるので大胆な変更には注意が必要だが、音色合せの段階では、ここまで記したことをひとつずつトライしてみてほしい。頭で考えている以上に音が変ることにきっと驚くに違いない。
  音色合せという点では、最近のAVセンターが隠し持っている、各チャンネルに対し独立して働く低音/高音用のトーンコントロール機能(音質調整)の働きは効果絶大だ。たいていの場合、AVセンターの設定/調整メニューの階層奥深くに収められており、ふだんなかなか目に触れることのない機能なので、取扱説明書に一度じっくり目を通してみてほしい。


難しいセンターのあつかいと 両サイドの音像確保


 最近の5.1chスピーカーセットには、センター用のみ横置きで使うタイプのものが多い。プロジェクターによるビッグスクリーンや、大型のプラズマテレビなど、映像を伴うホームシアターの場合は、スペースファクターの観点からこれはひじょうに有益なアプローチだが、マルチチャンネルオーディオを重視する場合は少々やっかいなセッティングだ。同一ブランド、同一ユニットを使った設計で、エンクロージャー形状や容積が同じスピーカーでも、縦に置くか横に置くかで、音の放射特性は大きく変ってくる。その違いが、微妙に音像定位や音色を変えてしまうからだ。



 もし、使うスピーカーセットがセンターのみ横置きで使うタイプのものであるなら、一度、フロント左右と同じ縦置きで音を聴いてみてほしい。その状態でフロント左とセンター、フロント右とセンターでHiVi CASTの「音色のチェック」を聴いてみてほしい。理想的な状態の音を体験しておくことは、よりよいセッティングを実現するうえで、必ず役立つはずだ。なお、センタースピーカーを横置きで使う場合でも、高域用ユニットの高さはできるだけ左右スピーカーのそれに合せておきたい。フロント左から右、またはその逆に音像が移動する場合など、その垂直移動範囲をできるだけ少なくしておいた方が、映像との違和感が生じにくいからだ。
  隣接する2本のスピーカーを使ったステレオ再生を行なう時、もっとも調整が難しいのは、フロント左とリア左、フロント右とリア右という2つの組み合せだろう。前回でも少し触れたが、フロントとリアは距離が離れがちなため、センター音像を結ばせるのが難しい。センター音像はすなわち5.1チャンネルで考えた場合のサイド音像。ここが弱いと、前と後で音場が鳴き分かれて、360度の立体音場を感じにくくなってしまう。10畳間くらいの部屋なら、フロントとリアのスピーカーを結ぶ距離が3m以内となるように部屋の使い方を工夫してみよう。そのうえで、それぞれのリアスピーカーの振り角を少しずつ(5度程度)変化させながら、ステレオソースの音像と音場のでき方を聴き比べてみる。AVセンターに装備されている、アナログマルチチャンネル入力端子の該当チャンネルに、ソース機器からアナログ音声信号を直接入力する方法をとれば、聴き慣れた音楽ソースが利用できるので、一層、調整が容易になるだろう。


●デモンストレーション メニュー画面/コンテンツ

(HiVi CAST担当 K)

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