画質と音質にこだわるなら、Super HiVi CAST
HiVi CAST ハンドブック レッスン15


サラウンドのチェックと映像と音声のタイミング調整

 HiVi CASTハンドブックの連載も、いよいよ今回で最終回を迎えます。ホームシアター用チェックディスクの決定盤を目指して、HiViスタッフが持てるノウハウのすべてを注ぎ込んだ入魂の1枚。おかげさまで、たくさんのみなさんにご愛用いただくことができました。HiVi CASTハンドブックはこれにて一旦幕を下ろしますが、HiVi Webの方では、引き続きサポートを継続する予定。そちらもどうぞお楽しみに。ではでは、サラウンドの仕上げと参りましょう。

  スピーカー配置、接続/音量/位相/チェック、そしてサブウーファーの音量/位相チェック。前回までで、サラウンド再生に必要な基本項目のセッティングが完了した。少し駆け足となった部分もあったが、いかがだったろうか? いくらかでも不安のあったセクションについては、再度、そのチャプター/タイトルに戻って、確認と再チェックを怠らないようにしてほしい。
  さて、最終回となる今回は、これまでの成果を確認するためのチャプター「サラウンドのチェック」を試してみよう。冒頭に挙げたすべての項目がきちんとできていれば、これから表示されるコンピューターグラフィックスが描く通りに音像が移動するはずだ。もし、映像のどこかで音が小さくなるとか、音像が拡散するなどの現象が出るなら、そのチャンネルに関する調整のいずれかがうまくいっていない可能性がある。再調整してみよう。

●「サラウンドのチェック」の確認画面

「サラウンドのチェック」でまず最初に再生されるのは、フロント右チャンネルからセンター、フロント左、サラウンド左、サラウンド右、そして再びフロント右へと戻ってくるチェック信号だ。CGはヘリコプターで、音源はモノーラル。
 さて再生してみていかがだったろう? チャンネル毎のスピーカーサイズが極端に異なっている場合、音源の移動に伴う音質の変化はやむを得ないところだが、スピーカーコンフィグレーションと音量レベルがきちんと合せられていれば、あるポイントで急激に音像が小さくなったりすることはないはずである。続いて、同じヘリコプターのCGと音源が逆方向、つまりフロント左チャンネルから順に移動する。先ほどと同じように、音源の移動感を確認しよう。前のチャプターで異常が感じられたら、その部分はこの逆回りパターンでさらに注意深く聴いてみて欲しい。右から左へ音源が移動したときと、左から右へ音源が移動したときとを比較して、どちらにより違和感があるかを確認できれば、異常の原因となっているチャンネルを特定しやすくなるはずだ。


●「サラウンドのチェック」の確認画面

  続いて、フロント左から視聴位置を抜けて右後方へ抜けるパターン、フロント右から視聴位置を抜けて左後方へ抜けるパターン、左後方から右後方へ抜けるパターン、フロント右からセンター、そしてフロント左へ抜けるパターンという順でテスト信号が再生される。いずれも音源の移動は単純だが、5.1chのセッティングがきちんとできていないと、音源の移動に伴って音像が大きくなったり小さくなったりして、実際に映画ソフトなどを再生すると不自然な感覚となって残るだろう。
  右と左で異なるスピーカーを使うことはないはずなので、もし、音像移動に伴う違和感が出るとすれば、前方で考えるならセンタースピーカーとの連携、後方で考えるなら、フロント左右とリア左右との間ということになる。なかでもセンタースピーカーについては、横置きとなったり、床に近い位置になったりと、常識的なスピーカーのセッティング手法とはかけ離れた状態になることも考えられる。もし、タイトル5/チャプター7を再生してみて、音像がセンター付近に達したときだけ不自然な印象となるようなら、AVセンターのスピーカーコンフィグレーションで、センタースピーカーを使わない設定にして、再度このチャプターを注意深く聴いてみよう。もし違和感が消えるなら、思い切ってセンター成分を左右のスピーカーに振り分けるセンターレス設定としてみるのもよい選択だと思う。


●「映像と音声のタイミング調整」

 さて、この「サラウンドのチェック」のあとに、もうひとつチャプターがある。連載の最後に、この「映像と音声のタイミング調整」について触れておきたい。シビアに映像DVDソフトなど視聴しているとき、映像と音の同期がきちんととれていないことに気がつくことはないだろうか? それが、DVDソフトなどの製作時に生じたもので、その状態でディスクに記録されている場合はなすすべもない。しかし、近年ますます高度化するデジタル映像信号処理のために、再生ハードウェア内で映像信号の遅延が発生しているケースも見受けられる。もし、お使いのディスプレイと5.1ch再生システムとの組合せで、映像が音声より常に遅れて感じられる場合には、AVセンターの多くが搭載しているシステム全体のディレイタイム調整機能を使って合せ込みたい。そのためのテスト信号として使ってほしいのが「映像と音声のタイミング調整」というわけだ。タイトル5/チャプター8のカチンコ映像の★が出現する瞬間と音が出る瞬間がピタリ合うように、AVセンターが持つシステム全体のディレイタイム調整を行なってほしい。何も調整しない状態でズレが感じられなければ、あなたのディスプレイは入力信号に対する応答性がひじょうによい製品ということができる。
  オーディオビジュアル機器のセッティングやメインテナンスに完璧という状態はない。本連載はこれで終了するが、AVシステムにどこか不調を感じたら、また新製品を導入したら、ふたたびこのHiVi CASTに戻ってセッティングを追い込んでいただきたい。必ずや、新たな発見があるはずである。


(HiVi CAST担当 K)

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